整備のはなし/嶋田くんのARGON18″E118″OHの巻
ARGON18 E-118 / Koji Shimada
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hola! ラモーンです。
今回は整備のお話、の前に
ラモーンバイクスでは、他店でお買い上げのバイクも大歓迎で整備やります!
おかげさまで最近、整備のご依頼が増えてきたので色んなメーカーさんのバイクをイジッてますが、1~2年無整備で、ベアリングやワイヤーなどが相当ヤバチックになっているバイクがあまりに多くてちょっとビックリしてます。
(車両を綺麗にしている方もご注意ください。見えない部分の部品の劣化で性能は確実に落ちています!)
尚、GSRカップなどの ”レース事前車検” もやってますので、合わせてのリフレッシュやオーバーホールもオススメです。
大体どんなバイクでもイケますので、量販店さんで買って何年も乗りっぱなしのロードバイクとかTTマシン、クロスバイクやピスト、自分で組み立てて調子が微妙に悪いバイクなど、一度ラモーンズでOH(オーバーホール/分解洗浄のうえ再組着)してフルリフレッシュしましょう!
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んでここからトップの写真。(ちょい前ですが)
※ラモーンズはアルゴンエイティーン(じゅうはち では無い)が得意です。
このカナディアンブランド、日本ではまだマイナーな部類に該当していますが、『チャレンジングな設計』と『乗りやすさ』を武器に、ここ数年で世界的に知名度を伸ばしているメーカーで、来年はカザフスタンのチームアスタナへの供給が決まっています。
(ツールドフランスでの『BORA ARGON18』の活躍で知った方も多いのでは?)
特に早くからエアロダイナミクスの重要さに気付き、世界初のフォーク一体型ハンドルを採用した事で、トライアスロン界では常にトップブランドとして活躍してきました。
今回はその『ARGON18』の超弩級TTバイク『E-118』。
国内でも指折りの実力者『嶋田 耕士』選手が駆るこの戦闘機を、レースに合わせてOHしました!
毎回、慎重に組んでいるこのE118。大事にしているマシンですので、錆びや破損部品も無くぱっと見から綺麗な状態。さらにバラして各部をチェックしながら綺麗にして、順調に組み直しを進めます。
さて、ここ数年『内装Vブレーキ』と共に、空力特性を追い求めるTTマシンのトレンドになっているのが『完全専用のフルカーボンハンドル/専用サイズ径のフルカーボンDHバー』。
確かにハイクオリティで軽量、ポジションの自由度も高いのですが、ちょっとだけココで問題がありました。昨年の大会前(2015/五島長崎国際トライアスロン)にガッツリ短くカットしてしまったこの専用DHバーが、この1年間のトレーニングとポジション改造の結果、見事に必要な長さが足りなくなっていたのです!!マジカ!
予備のストレートバーは有りますが、このスキーベンドタイプはコレ1組、しかも専用品で国内在庫が無く、取り寄せでは絶対大会に間に合わない。かといってサードパーティの汎用バーでは、ポジションとフィーリングが変わってしまう上に、そもそもバーの受け口が『差し込み式』なのでバー外径は変更不可で寸法が合わないと・・・
まあ、もうこの状況では一沢なので、短いバーを補強しつつ伸ばす事にしました。
尚、補強材の条件『変速ワイヤーを通せる中空かつ内径19mmのパイプ(強め)』なんて売ってないので、今回は汎用品をカットします。
作業内容は以下の通り
★まずは出番の無かったアルミバーと純正の予備カーボンバー(ストレート形状)を用意。
★伸ばしたい長さにカーボンバーを、合わせて補強材としてアルミバーをカット!
★径を詰めてかつ、動かない様に外圧がかかるよう、アルミパイプ側面に適当な厚みの切れ込みを入れる
★「叩けばギリギリ入るくらいのサイズで円状を保ったまま」って感じまで潰す
★接着用溶剤をガッツリ流し込んだカーボンパイプと延長用パイプにアルミの補強材を打ち込む
★接合部の段差をヤスリで必死に均す
★延長かつ強化完了!
ね、カンタン*でしょ? * 注)メッチャ大変でした
嶋田選手が苦労して編み出した新ポジションは変えず、DHバー自体は延長の上で強度大幅にアップ!
そんなこんなでコントロール系は何とかなったので、駆動系に秘密兵器を投入!
プレスフィットBBの弱点をカバーし、高い回転効率だけで無く『フレームのBB受け周り』の剛性まで大幅にアップする超絶BB『WISHBONE』(¥18,000+tax)を投入。
コレはヤバい!
正直定価はちょっと高いですが、使い捨ての各社セラミックベアリングBBの値段を考えると実際のコストパフォーマンスは非常に良く、デメリット無いんじゃないかと思うほどです。
実戦で使用した嶋田選手曰く「これまでよりはっきりと”踏力が推進力に変わっている”事が実感できた。フレーム中央の剛性が上がったような感じで、ペダルにかけた力が殺されずに推進力に変換されている感じ。無負荷状態では極端に回りが良くなるわけでは無いのだが、愛車で試せばその違いは歴然だ。」との事。実際に今年のバイクパートでは並み居る強豪選手と戦い、先頭集団に追いつくなど奮闘、その助けになったとの言葉をいただいています。
(プラクシスワークスと、このウィッシュボーン、左右連結タイプのPF-BBの利点についての詳細は別に書きます、多分。しらんけど)
ココ、重要です。
さて、その後は全体をピッカピカに吹き上げ、全体を組み上げ調整をして完成!
大切な水分補給用のボトルはポーラーの保冷ボトルを3本と、プロファイルデザインのエアロボトル。この辺は鉄板のチョイスですが、使いやすく、内容物漏れなどのトラブルが起きにくく、ボトルの模様がキモカワイイ等々オススメの条件が揃ってます、まあ間違い無いでしょう!!
この後、嶋田選手は気合い充分で今年の本命レース『2016年五島長崎国際トライアスロン大会』(スイム3.8km / バイク180.2km / ラン 42.2km)に出場!
カテゴリ『30-34男子』にて堂々の2位を獲得しました!ヤバー!!
さて、以上のように、ラモーンズではTTマシンの整備もバッチリ承ります!
あと、トライアスリートの皆さん!
「海から上がってそのままバイクに乗って、洗車しないでほったらかし」とかやってませんか?
整備不良のバイクでの競技参加は危険なうえ、なによりアナタのパフォーマンスを大幅に低減させます。自分の記録に勝つためにも、クリーニングや整備などなんでも、ラモーンズにお任せください!
追記
タイミングカブッた \(^o^)/ ワーイ
嶋田選手サイクリストに登場の巻