The “ONE” & ONLY / FACTOR ONE x SRAM RED e-Tap
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はい、そんなわけで今回はイギリスの”ハイエンド専門”レーシングバイクブランド【FACTOR】のエアロロード、【ONE】をご紹介。
いやファクターってなんやねん?
2007年にイギリス・ノーフォークのレーシングファクトリー【bf1 systems】(モーターレーシング業界の会社さんっぽいぞ、航空関連もやってるっぽい)のレースバイシクル部門が独立してでけたっぽい、しらんけど。ほんで2017年度にいきなりUCIワールド(プロツアー)チーム”AG2R”に採用されて一躍有名になったぞ。ゴイスー
2019年度はレース界での目立った活躍は無かったものの、2020年にはUCIワールドチーム“イスラエル・サイクリングアカデミー”(みんな大好きグライペルさんもいるぞ)が採用を発表。あわせて日本では、ラモーンズがメッチャ応援してる小石ユーマを擁する“チームUKYO”も乗るぞってことで、目にする機会が増えると思います。注目!
Watch: @YallaIsraelSUN Factor One aero road bike by @cyclingtips
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— Factor Bikes (@FactorBikes) November 28, 2019
来シーズンもTEAM UKYOで走らせていただくことになりました。
来期も頑張ります。応援よろしくお願いします。 https://t.co/EjG1se1xV9
— 小石祐馬 (YumaKoishi) (@Yuma_Koishi) December 22, 2019
そんな”ファクター”社のラインナップの中で最もブッ飛んだ構造のバイクがコレ
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専用の”ステム一体型ハンドル”と、フロントフォークが特徴的なサイドビュー。フォークトップ部の”コの字型スペース”でヘッドチューブを挟み、上下からベアリング受けで圧をかけて固定する構造。トップキャップに押されたコラムスペーサーとステムでヘッドベアリングに圧をかける一般的な方式ではなく、TTバイクでの採用が多い”ヒンジ型ネック”を採用している
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厚みのあるゴツいブレード状のフロントフォークや、トップチューブ後端とシートチューブ連結部のリブ、角断面でストレートな形状のチェーンステーなど、剛性感の高さが見てとれる様な構造
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斜め後方から。ぱっと見は、ちょいとフロントまわりが特徴的なエアロロードってくらいなカンジですが、よく見るとダウンチューブが・・・
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かなり空力特性を意識したゴツいフォルムなので、ディスクホイールも似合う。TTバイクのようで一気に迫力が増しますね
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少し見上げるようなアングルだと、また見えてきますね。ダウンチューブのセンターが・・・
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エアロロードなのにダウンチューブがなんか太くない?角断面?とか思うでしょ、そうなんです。ココがこのバイク最大の特徴
ウイング状の並列ダウンチューブ!?
そう、このバイクの最大の特徴は見ての通り、
センターに割りの入った双胴型ツインチューブ。
メーカー曰く「空力特性における優位性は、丸パイプ比で約23倍!」とのこと、イヤイヤまじかよw
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だ、ダウンチューブが・・・
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ヘッドから覗くとこんな感じ……キレーに分かれてますね……
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大きくスリットが入ったダウンチューブ。複葉機っつーかツインムスタング的な感じ?他に類を見ない二度見系の迫力ある外見
まあとにかくインパクトがすごいですね
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二重ウイングの向こう側がバッチリ見えます
どうして、どうしてですかね……
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ダウンチューブのスリットには二箇所のブリッジが設けられ、ボトルケージの受け穴が配置される
賛否色々有りますが、とりあえずカッコイイので正義です。
実際の乗り味はカッチリ系剛性高めでレーシング風味強めで変な挙動も無く、思いのほか普通な感じです。
ネタフレームではないぞ!
付属品も充実
あとこの子、フレームセット販売のみですが付属品がいっぱいあります。
・ステム一体型フルカーボンハンドル(専用設計・幅とステム長は選択可)
・専用コラムスペーサー
・ロゴ入りバーテープ&エンドキャップ
・専用サイコンステー(ガーミン用)
・専用カーボンシートポスト(セットバックは0mmと25mmから選択可)
・CERAMIC SPEED社製BB(BB-Right・ホローテックもしくはGXPが選択可)
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綺麗に梱包された部品類。しかし基本的に点数が多い上に説明書は無いので、一つずつ丁寧に確認するのだ
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純正のステム一体型カーボンハンドルに、クリック感の気持ち良い名作SRAM RED e-Tap11をセット。バーテープはフレームセット同梱のFACTORブランドロゴ入り
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ドロップはアナトミック的なアレ、上面が平らでリラックスポジション時に手や肘を置きやすい形状
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ハンドルセンターにはFACTORのロゴ。サイコンステーはBLACK INC の専用品が付属、サイコン固定部はROTOR製のガーミンマウントなので、他社のサイコンを乗せる場合は変換アダプターを使用するか、モジモジ(加工)が必要
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下から見るとこんな感じ。ディスクブレーキ仕様だとコード類は完全内装になるが、リムブレーキ仕様の場合はフロント側のみワイヤーが露出する
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上の写真を見ての通り、ハンドルのステー取り付け穴がカーブに沿った形状なので、汎用のステーは使えず。専用品にライトマウントの設定は無いので、ちょいとモジモジしてレックマウントステーをジョイントしてます(要加工)
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純正のハンドルエンドキャップも付属。ブランドロゴ入りのアルミ削り出しで中々イイカンジ
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空力を重視したTTバイク向けに誕生し、昨今では一般化した感のある”コの字型”ヘッド固定部。フロントフォーク上部ジョイントがヘッドに被さる感じ、ゴツい。ハンドル高を調整するスペーサーは内装ワイヤーをそのままに交換できる分割式を採用
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サドルはシャープなラインと鮮やかなカラーリングが人気のASTUTE
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1ボルト固定タイプのカーボンシートポストが付属。固定は下部前方の臼をボルトで押し込むタイプで0mm/25mmのどちらかを選択可能(写真は25mmセットバックタイプ
コンポはあえて11速のSRAM e-Tap
そう、確かに12速AXS出ました。アレもメチャ良いのですが、11速e-tapもメリットが多いんですよね。例えば、12速カセットを装着するにはXDRドライバー対応のホイールが必須だったりしますが、11速ならシマノフリーでイケます。気に入っているホイールがXDR非対応であったり、他のバイクも持ってて部品を共有するなんて事も重要なポイントなので、今回はあえてコチラをチョイスしたってカンジですね。
ちなみに11sのe-Tapですが、デビューから現在に至るまで一回もファームウェアのアップデート入ってないんですよね。コレについては批判もありましたが、それだけ堅牢なシステムだったっちゅー事ですね。まあアンシンですね
*2015年でしたかね、チームカチューシャがSRAMコンポになった時はホアキンも「面白いおもちゃが手に入った」とか言ってましたよ。でもね、それでリオオリンピック5位ですからね、操作感も信頼性もバッチリでしょ〜。
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無線なので取付カンタン、なFD。ただ、羽根のスイングの仕方が水平移動ではなくてがヨーイング(扇状の動き)なので、位置決めの仕方やコツがシマノやカンパとは違いますのでちゅうい
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こちらも無線で付け外しカンタン。飛行機輪行とか頻繁にする人にもオススメです
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超軽量なカーボンクランク。フレームを選ばない24mmスピンドルのGXP仕様
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スイスのedco Engineering製アルミビレットハブ”RACER”。大型のベアリングを高精度に支持する逸品で、回転の良さと堅牢さが特徴。実は2014年にワウト・ファンアールトがシクロクロス世界選手権U23を制した際に使用していたホイールは、このハブとSAPIMのCX-RAYで組んでいたんですよマジで
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EDCOにRACERハブの完組ホイールの設定が無かったのと、リムがもう手に入らないってのもあってSACRAで手組み。2年ほど前に組んだので仕様は前のモノですが、耐久性の有る頑丈なカーボンリムで安心の仕上がりでしたね
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定番のCORIMAカーボンディスクホイールにContinentalのチューブラータイヤ”Sprinter”をセット。ガッツリパワーをガッツリ路面に伝えてくれますが、路面からの衝撃やキックバックもガッツリ返ってきちゃう漢らしい特性
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CORIMAのディスクがなぜ定番なのか、それは性能面や信頼性から来るものです。が、日本だともう一つ重要な側面が……それは”平面”であるという事。……あとはわかりますね?うん、そういう事
インパクト抜群のレーシングマシン
はい。というわけで、FACTORのエアロロード”ONE”。
ものっそいインパクトの有る外見とは裏腹に、特性としてはちゃんとレース特化型の現代的なエアロロードしてます。妙な挙動も無く、カッチリレーシングマシンが好きな方には違和感無く乗ってもらえるのではないでしょうか。
尚、レースの世界は例外的なモノを嫌う傾向(スペアパーツの共通化や特殊トラブルを回避するため、仕様するマテリアル・パーツはスタンダードなモノを好む)があるため、明確にスタンダードな形状を採用した軽量フレーム”O2 VAM DISC”がメインになるでしょうが、スプリンターにはONE DISCを乗せる方向みたい。……早くレースで走る姿もみてみたいですね。
「コレ、ええやんけ」と思った方。各モデル、リムブレーキ仕様もディスクブレーキ仕様とラインナップも豊富なので、残念ながらモノは置いてないけど相談しに店に来てね。
尚、納期はちょいと(2〜3ヶ月)かかりますので、「春から乗りたい!」なんて方はお早めに〜
〜蛇足〜
複葉機っていうと1~2次世界大戦ころの骨董品イメージかもしれませんが、実は最近もデュアルウイングの開発は進んでるっぽくて。昨年発表されたボーイング×NASAの超軽量遷音速機【トラス・ブレースドウィング機】は2005年生産モデルに比べ60%も燃費を向上させた上で、現代の旅客機と同程度の速度で飛べるとか。すげー
Our new aerodynamic concept is spreading its wings at #aiaaSciTech today! #TheFutureIsBuiltHere
Read more about our Transonic Truss-Braced Wing concept: https://t.co/ORIz1Na8WT pic.twitter.com/jmzCuYo6lT— The Boeing Company (@Boeing) January 8, 2019
……今、進化型複葉が熱い!……のか?
・・・まあこのバイクと飛行機は直接の関係は無いし、技術的な共通点とかの話では有りません。
まごーことなきコジツケですねワラ
でもね、新しい技術や、見たことのないカタチって、ワクワクするじゃないですか!
それってメッチャ大事な事だと思うんですよね。そういう点でこのフレームは比類するモノが無いんですよ。
凄いんですよ、もうね、そこだけ取ってもね。