合体メカが最強なのは常識だからBBもね、のはなし
手前 WISHBONE / 奥 SHIMANO *共にBB86用
ども、JIS信者と思われているラモです。
先日E-118に着けたウィッシュボーンが良すぎたので、今回は合体するプレスフィットBBについて。
マジで良いので説明します。前置き長いですスミマセンすいません。
さてさて、
現在のカーボンロードバイクフレームにおいて主流の規格は大まかに二つ。近頃はカーボンだけで無くメタル系のフレームにも採用されているBB規格『プレスフィット』。
そして、クロモリフレームなどのメタル系フレームのほとんどと、実はパッソーニやサルトなどの超高級オーダーフレームで主流の『JIS/BSA(スレッド)』。
プレスフィットBBは無敵だ!(メーカー談
メーカー様のご高説では「プレスフィットはベアリングが大きくなって回転効率アップ、直径の太いシャフトで剛性アップ、フレームが太くなって剛性アップ!BB受けからフレーム内の空洞にアクセスしやすく、内装のワイヤリングも簡単!さらにフレーム単体重量も軽くなるし、圧倒的に製造コスtゴニョニョ」などと夢の様な事をおっしゃっておりますが、果たして?
確かに利点いっぱい問題もいっぱい。てか主に種類がいっぱい。
先ず最初の問題は構造以前の話、シマノの24mm芯×86.5mm幅規格に準拠しない自社規格が多すぎる事。ベアリングサイズや受け側の寸法、シャフト径やQファクターすら微妙に違う多くの規格が乱立し「完成車でシマノのコンポセットを使ってるのにクランクはシマノ不可」等、市場も販売店も、なによりユーザーを完全に無視して困らせています。
こんな事、何年もさんざん言われているのに、まだ統一しないのはなにか理由があるんでしょうね、その内容なんざ正直どうでもいいですが、もう・・・
(BB30 /PF30 /BBRIGHT /BB30A /PF30A /BB386 /BB386EVO /BB90 /BB92 /BB95 と、許可した責任者は、マジでその規格が生き残れるとでも思っていたのでしょうか?逆にポジティブすぎてスゴイとおもいます^^)
正直、「シマノのクランクが使えないBB規格を、コンポセットを作っていないメーカーが出す」とか、よほど『特殊な構造で圧倒的に高性能なクランク』を用意できないのであれば狂気としか・・・。
まあ、一般販売面では「各社の完成車が変換アダプターでシマノクランクを使っている」という事と、レース界では「スレッデッドBBのフレームをわざわざtdfで使用する選手が居た、というか見た」という事実が、全てを物語っていますが・・・
業界黒歴史も生まれました
有名なトコロでは、『アルミのBB受けにベアリングを直接乗せ、スナップリングと接着剤でソレをなんとなく固定する』という、『ベアリングは消耗品である』という大前提を知らなかったか、もしくは前日に飲み過ぎて前提条件をスポーンと忘れた人がノリと勢いでテキトーに設計したとしか思えないブッ飛んだ構造のモノも有りましたね、しかもソレを人気のある大手メーカーが採用するという大惨事が起き、多くのサイクリストが『ほぼ確実に出る異音』と、『メッチャ少ない対応クランク』に悩まされました。
現在でもトレとあるメーカーさんのバイクからクランクを抜いた時にベアリングがクランクシャフトにくっついて同時に抜けてしまった時は「いやーカンパ最高やわカンパ、やっぱカンパだよねパワートルクパワートルク」と唱えて落ち着くようにしています。何言ってるか自分でも謎です。
まあでも結局シマノだろ
そんな謎トレンドの中にあって(まあBB86かJISだったら問題無いのですが)アフターパーツメーカーさん達は奮闘、『謎BB規格フレームであってもシマノ規格へと対応させる』というステキなコンバージョンBBをいっぱい発表してきているので、ソレを使ってシマノクランクを使用するのがなんか常識と化してきてます、知らんけど。
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こまけーこた良いんだよ!というアナタは純正でどうぞ!
正直、どのメーカーさんの圧入BBも、違いは『ベアリング』と『カップの素材』くらいで、構造に関しては『左右のベアリングは独立してねじ込むだけ、固定はBBの樹脂カップがつぶれる事でハマる。左右のベアリングは独立していて、連結はクランクで行う』というフレームのBB受け側の精度に依存しきった設計。さらにその後、とりあえずで水平っぽい状態のベアリングにクランクシャフトをねじ込み、そのクランクシャフトに押される事によって左右の水平がなんとなく確立される、というかなりアバウトなモノで、本来は
『クランクシャフトを支えるために、水平かつ左右の芯が出た状態でベアリングを配置しなければいけない』はずなのに、
そのクランクシャフト自体を『無理にねじ込む事で、後から辻褄を合わせる(様に見せかける)』
という逆転の発想!ステキ!!まさに効率重視!!
当然、シャフトにはベアリングから無駄な圧がかかり、回転効率は良くなりません。(コレをごまかすために、セラミック等の高効率ベアリング(*回転は軽いものの、かわりに高価で耐久性が低い)が採用されたんでしょうね)
まあ、「回転数が極端に低いBBにおいてはコレでも許容範囲だし、様々な要素を総合してコレがベスト。」という判断を、たぶん業界の盟主「某S社様」あたりが出されたのではないかと考察されます。実際、レースでも通常使用でも致命的な問題は有りません。
逆に整備性という面では、開口部が大きく、フレーム内部にアクセスしやすいプレスフィット構造は優れていると思います。まあ使い捨てなのはアレですけど。
しかし、『更に性能をアップさせたい!』のならば二択です。
①構造上の問題を解決する
か、もしくは
②構造上の問題は無視して、高価な圧入セラミックベアリングを使い潰し続ける
↑ 供給を受けるプロサイクリストはともかく、お金が余ってる人以外は①を選んだ方が・・・
オススメは『左右連結型スレッド式プレスフィットBB』!
↑文字にするとバカっぽくてイイ感じですね。まあ写真を見ればわかります。
数あるコンバージョンBBの中で、特に秀逸なのが今回紹介する『ウィッシュボーン』と『プラクシスワークス』です!
『ウィッシュボーン』は「BB90を除くほぼ全ての規格に対応している」が「セラミックベアリング設定のみ」。
『プラクシスワークス』は「安価で耐久性の高いスチールベアリング」と「更に高効率なセラミックベアリング」が選べるが「BB30 /PF30 /OSBB のみの対応」。
と、多少の制限はありますが、はっきり言って数少ない『確実に性能アップが体感出来るパーツ』です。ヤバいよ!
踏力を効率よく推進力へ変換し、フレームの剛性もアップ!
最大の特徴は、ありがちな「単純に良く回るベアリングに変えただけ」では無く、『高精度で削り出された連結スレッド(ネジ山)を構造に持つ、ゴツいアルミブロック』(ケース)に有ります!
アルミのブロックは左右が連結されることで、強固にベアリングの水平を保ちます。また、スレッドが切られた左右のリブで締め込む事により、内圧だけで無く、外圧でもBB自体をフレームに固定。さらに締め具合で固定圧を調整出来るため、フレームに優しくも強固な配置が可能!!!
*JIS/BSA規格の『スレッデッドBB』が優れている点はまさにココ。メタル素材のネジ受けは追加工が出来るため、ショップが組み付ける際に専用工具を使ってタップを切り直し、しっかりとベアリング同士の水平、そしてフレームとベアリングの垂直を出してのセッティングができます。また、例えば軽量なカーボンフレームであっても、車両のコアになる部分『重心の中央部』にアルミブロックを使用する事で剛性を増す事ができ、ペダリングから来る踏力を逃がしません。
あとね、
固定力に優れているため、プレスフィット(主にBB30)にありがちな『異音』も出ずらい!!
そう、固定力に優れているため、BB30でも『異音』がほぼ出ません!!ヤバー!!
更に!
着け外し簡単、再利用可!!
メンテ毎にBBを買い直す必要がありません!
更にさらに!!
左右が連結されたアルミブロックが、大きな空洞となっているカーボンフレーム中央内部の橋渡しをする補強材として固定されるので、フレームコア部の剛性もアップ!
一口で言うと、
ベアリング受けのついたサブフレーム
って感じがしっくりですね。
クランクシャフトにはその構造上、シャフト両端から交互に『ほぼ独立した力』が踏み込まれ、ベアリングは基本的に片方ずつ負荷を受けます。しかし、このBBは剛性の有るアルミのケースが連結してフレームに固定しているため、左右のベアリングの水平を強固に保つ事ができ、かかる負荷をブロック全体に分散させる事ができ、結果、双方のベアリングが力を無駄なくフレームに伝える事が可能(よじれを生じにくい)で、また、逆にフレームのしなりをも効果的に駆動系に伝えるブリッジとなります。
また、実はベアリングも単体で交換できるので、結局コストパフォーマンスもメッチャ良いんじゃね!?って感じなのです。
結論:プレスフィットBBは合体モノ(WISHBONE or Praxis works)が最強!
ラモーンズでオーバーホールをして、その際には是非BBを変えましょう。
マジでフィーリングが変わりますので、超オススメです!
ご依頼お待ちしてます〜
ラモーン