SRAMの12速がスゲー良いぞ(おさらい):SRAM RED e-Tap AXS
はい、そんなわけでSRAMの新作12スピードコンポ [イータップ・アクセス] のご紹介
もう散々ウェブメディアや他の店のブログなんかで情報が出ていますので、おさらいですね
ラモーンズ的には、ガチ選手というより一般ユーザーに特にオススメしたいコンポなんですよ。とにかくね、楽、操作もシンプルだから。
★コンセプトは『SIMPLY BEYOND』★
元より【ワイヤレス】に【左右1ボタン式】とシンプルな構成がウリだったのわけですが、フロントが自動で変速する【シーケンシャルモード(※shimanoで言うとこのシンクロシフト)】が追加され、さらについに【フロントシングル】をRED e-Tapにも導入。チェーンリングも【インナーアウターリングからスパイダーまで全部一体式】の【ダイレクトマウント】方式を採用(※フロントシングルとFORCEグレードは中継のスパイダーアームを使用)と、部品点数や操作を可能な限り減らして、シンプルな構成にしようとしてます。
【操作ストレスからの解放】ってヤツですね
考える必要の無い直感的な操作方法と、その操作をサポートする機能。コレです。
Q.したっけ何がそんなにすごいのん?
というのもね、言ってしまえば
【ワイヤレス】はスラム11s時代からやってます
【シンクロシフト】はシマノが
【リア12速】もカンパが先にやってます
でも「凄い!」「革新的!」って言えちゃう理由は、リアに増えた【10Tギア】。
コレがフロントを含めて色んな事を変えちゃった感じなんですよ。もちろんイイ方向にね。
A. 10Tを核にした革新的なギア構成(X-RANGE)が新しい
まあね、言ってしまえば暴論ですが、カセットのギア比構成なんて「スプロケ側のトップギアとローギアの歯数が一緒なら、8速でも11速でも12速でも20速でも、カバーの範囲自体は変わらない」んですよね、途中のギア比がクロスするだけで。
結局、ロードバイクの実用的なギア比の範囲って「最大5.0から最小1.0」な感じなわけです。
ソレ自体は変わってません。そりゃそうでしょ、だって機械がアップグレードしたからって使うのは人間なんで。人間の踏力がベースのお話なんで。
まあぶっちゃけ現実的な実用域を言ったら4.0~1.2くらいカバーしてたら充分な気がします、正直。
・だってさ、【52/36T × 11-30T】 が【カバー範囲 4.72~1.20】ですが、【Fシングル40T × 10-33T 】の構成でもう【4.00~1.21】。重い方2速分を捨てたら残りがほぼカバー出来ちゃうってカンジですよ。フロントダブルにすれば更にワイドに、間も細かく埋められるとか、メッチャ良いじゃない。
5倍とか踏める?まあムリですよね。「俺は55×11Tでゴイゴイと踏んでイケますよHAHAHA!」なんて言っていいのはインザスカイ氏くらいでしょ。・・・軽い方もね、MTBやファットバイクでも無い限り、1.0とかあんま使わないよね?
そんなわけで、今までは
【 53/39 レース 】【 52/36 スポーツ 】【 50/34 クライム・エンデュランス 】【 46/36 シクロ 】
ってラインナップ自体が普通でした。
が、SRAM的にはもはやソレは【トラディショナル】という扱いに。
(トラディショナルという言い回しはネガティブなソレではありません。トラディショナルギアには別のメリットが有るのですがソレは一旦置いておきましょ)
リア10Tの存在によってフロントのギア数も全体的に変更されています。
スラム12速ではフロント(ダブルギア)のギア構成は以下の3種類。
【 50/37 レース 】【 48/35 スポーツ 】【 46/33 クライム・エンデュランス・シクロ 】みたいなかんじ?
加えて、フロントシングルの選択肢がいっぱい!
純正のシングルギアで【 36 / 38 / 40 / 42 / 44 / 46 / 48 / 50 】と、まさかの8種類も揃えてきてるあたりが本気です。当然、ナローワイドギアですよ、エアロもね。
10Tの存在が、フロントギアの常識も変えちゃった
そりゃ新しいね!ってかんじ。
ってなわけで、メリット
①フロントチェーンリングが小さくても重いギア比が実現できる
②チェーンリング側が小さいため、軽いギア比をカバーするための大きなスプロケットを使わなくてもよくなる
③スプロケットのカバー範囲が広いので、チェーンリング(インナー/アウター)の歯数差を小さくできる
④スプロケットのカバー範囲が広いので、フロントシングル化してもあきらめる部分が少ない
⑤しかも、1つ使えるギアが増えたので、クロスしているギアが多い
ってなわけで、①と②はギア比のメリット以外に、小さくなった事で軽量化も実現ってな寸法です。
③はなんでかってーと、トラディショナルレンジのリング構成だと前述の『実用カバー範囲』を超えちゃうんですよね。逆に言えばカブってるギア比も多いわけですが、
内外のチェーンリングサイズが近いので変速ショックが小さく、変速スピードも速くなります。
今までは『フロント変速が微妙』と言われ続けてきたSRAMですが大ー幅に改善。【シンクロシフト】をアクティブにしたときとかすぐに体感できます、マジでイイヨ。
④コレもフロントシングル化でよく言われてた『あとちょっと軽い(重い)ギアが欲しい』ってとこがイーカンジにフォローできてるってヤツ。まあ、細かく刻むなら当然フロントダブルですが・・でも俺はロードでもフロントシングルにするんだ!ってロマン派も1つ増えたギアでニッコリの出来です。ステキ!
⑤は上の写真左の表を見てください。主にハイ側で1T刻みが7連、10-33Tでも6連とか。
とまあ、なにやら良いこといっぱいですね
しかしまあ、今まで無かったのにも理由があります。
単純に今までの規格(シマノ・スラム)フリーボディだと、10Tは小さすぎて入らないんですね
そこで、MTBで先に市場に投入していた【12速】の新規格フリーボディ【XD】をロードバイクバージョンとしてモディファイした【XDR】を採用
このこ、必要全幅は11s規格のシマノフリーとほぼ変わらないので、ホイール(ハブ)メーカーさんが対応してくれれば、今までのホイールにポン付けできます。
したっけ、10 → 11速の頃みたいな「規格が大きく変わって手持ちのホイールが使えなくなる」って事にあんまならないっぽい、まあ懐の深さがイイカンジやね。
構造上カセットスプロケットは一体型でないと使えなかったりしますが、いまどきギア単位で交換したりする事もほぼ無いでしょうし、純正で揃えたら問題にはならないでしょう。
ちなみに、ラモーンズのオススメRolfplimaやMAVIC(※一部非対応モデルも有り)は速攻で対応。フリーボディを付け替えればSRAM 12sつかえます。
クランクも一新!大丈夫、GXPもあるよ
変わったのはカタチだけじゃありません。やはりMTBで先に開発が進んでいた新しい軸規格”DUB“を採用。
クランク軸が28.99mm径(まあ29mmね)になり、フレキシビリティの高い24mm芯のSHIMANO・GXP規格と、剛性で有利な30mm規格のBB30・BB386規格の良いとこ取りな感じに!ヤッタネ!
もういい加減、規格まとめて!!
あとは某T社のフレームみたいにどうやってもDUB軸が入らないモノとか、SRAM載せ替えユーザー用に、伝統のGXP軸仕様もラインナップ。ほとんどのフレームに対応するって事で他メーカーのコンポからの乗り換えも安心ですね。
純正のBBはJIS/BSAに加えて、プレスフィット各種も用意。定番のBB86・BB30をはじめ、46mm径のPF30・BB386・BB RIGHT(この3種は幅が違うだけだから共用)なんかも用意。ほかにも、ITA規格やその他の謎規格BBとDUB軸を組み合わせたい場合は、
Wishboneがバッチリフォロー!オススメ!
メッチャ色んな規格をカバーしているのでマジ安心ですよ、ホント。
でもBB86と90はムリ!ゴメス!
☆BB86規格のフレームに29とか30mm芯のクランク入れるって大変なんですよ。BB30フレームみたいに、フレーム幅が小さければ外部に大径のベアリングを置いて対応出来るんだけど、BB86みたいにクランク軸幅いっぱいのフレームだとφ41mmしかない開口部の内に、内径30+αmmサイズのベアリングとカップを納めなきゃイカンわけでしょ。したっけ、一般的な工業規格のベアリングを使うにはスペースが足りない(バランスを考えたらそんな薄いカートリッジベアリングとか、メリットが少ないんでしょうね、有りません)。じゃあオリジナルの薄ーいベアリングで対応しましょって作るわけだけど、今度は薄すぎて球が小さくて耐久性が低い。しかも、代用の効かない専用ベアリング作るってコスト面でも超不利、そんなに数売れるんのん?みたいな。そんなわけでBB86フレームにBB386クランクをつけるBBは種類が少なかったんですね。まあ、ほぼROTORクランク用みたいな規格だったので。
まあdubに関しては、1mm軸径が小さいうえにSRAMのメイン規格って事で本腰入れてます。wishboneが各種規格のフレーム用ほぼ全部そろえてます。(BB86とBB90はありませんごめんなさい)
・・がBB90はムリだった模様・・・フレーム幅広すぎるんですね。まあでも大丈夫、そんな条件でもGXP仕様のクランクならつきます!BB? 純正つかえばok
とまあ、駆動系はこんなカンジですね
バリエーション豊富なチェーンリング
ほんで前述したように、フロントシングルのバリエーションが豊富なaxsシリーズ。
48Tと50Tは力の伝達効率と空力に優れた【ダイレクトマウントタイプ/エアロチェーンリング】
36 / 38 / 40 / 42 / 46Tは、泥はけが良く交換も容易な【107PCDスパイダー使用タイプ/STDチェーンリング】
と、うまく分けているので、フロントシングルと一言に言ってもTT用やシクロクロス用と用途に合わせた使い方に特化させたんでしょうね。
シングル7種・ダブル3種のチェーンリングに加えてパワーメーターの有無と、なんか純正の組合わせだけでも悩めます。
まあ、駆動系は”ほぼ全てが刷新された“感じですね!
ただ、全てが100%ポジティブという単純な話しでもありません。例えば、フロントリングが小さくなった事で”踏み感”が変わっています。コレは選手クラスになると言い出す割合が増えるんですが、フロントのチェーンリングが小さくなった事で、同じギア比でもチェーンとギアの嚙み合い部が少なくなる事によって起こっている感じっぽい、しらんけど。まあ元より、プロでもフロント54Tとか使う選手はここら辺の感覚を大事にしますし、彼らパワーファイターにはフロントが大きい方が感触が良いようです。…が、まあサンデーレーサーや僕のようなフィーリング派にはあんまり関係ありませんね(ワラ
実際、ここまで構成を刷新したんだから、フィーリングが変わらないわけがないんですよ。要は、どう使うか、どうメリットを活かすかって事ですね。
さてほんで、お次は変速系
元より完成度の高かったe-Tapのパドルシフトシステムの使いやすさが、そのまま一段上がった感じ
基本は一緒ですが、12速化で一変速ごとのガイドプーリーの移動距離が短くなったり、システムの最適化などで変速スピードが上がって正確さが増した感じ。尚、某関係者様に「フロントシングルの時は更に変速速くなるよ〜」とか聞きましたがマジかよ。
あとRD、リターンスプリング部に油圧ダンパーが入ったおかげでチェーン暴れに強くなりました
フロントシングルでよくある状況ですが、ワイドギア化するとドンドン必要チェーン長が伸びていきます
まあそうですよね、軽いギア(円周の大きいギア)に合わせた長さになるんだから。そりゃ重いギア(円周の小さいギア)の時はチェーンがいっぱい余っちゃいますよね。したっけ、ディレイラーのリターンスプリングをパンパンに張ってないと余りのコイツらが暴れるんですよね。かといって、テンションが高すぎると抵抗になっちゃうし・・(駆動力の伝達効率が下がる)。
そこでORBIT™ダンパーの出番です。路面からの突き上げ衝撃など、速く細かい動きだけを抑制。そのくせ変速時の動きは邪魔しない、なんて聞き分けの良い子なんだ…
e-Tapにもシンクロシフトが導入されたので、リア変速だけしてたら決まったギアまで行った時点で勝手にフロントも変わってくれます。セッティングはケータイアプリで好きにイジっちゃいましょう。各部位のバッテリー残量とかもコレでチェック出来るとかマジでステキですね。
さすがSRAM、油圧ディスクキャリパーのジョイントがバンジョー式です!
最近はストレートジョイントが多いのですが、キャリパーへの油圧ホースの引き込み角度を微調整出来るバンジョー式、いいですね。ホース内蔵式フレームは特にフレームのホース出口とキャリパーの引込口の角度が全く合ってない場合があるんですよ。まあしっかり固定しちゃえばワイヤーと違って性能に差は出ないのですが、ホースやコネクト部にかかるストレスは少ない方が良いでしょ。
あとね、バンジョータイプは古いと思っているアナタ…頭が硬い!たしかに、ストレートタイプの方がメタルパーツを少なくして軽く出来たり、ホースカットの際にどちら側からも調整できたり、と、メリットもいっぱいあります。が、同じようにバンジョータイプにも前述のような構造上の利点がありますので、どちらかが絶対正義ってわけじゃないんですよね。良い物はイイ!
まあそんなわけで、今回はハイクオリティかつユーザーフレンドリーなステキすぎる新型コンポ【RED e-Tap AXS】のご紹介でした。
「いやでもREDはさすがにたけーよ」ってアナタにはこちら
12速のFORCE e-Tapも出たよ!
しかもAXSの機能全込み!
12といえばコレでしょ! 12MONKEYS。 ブルースウィルスとブラッドピットのコンビが炸裂した、超名作SFサスペンスムービーですね。
・・・結局この作品は、伏線と謎を多く残したまま終わる難解極まる映画でした。 が、何回も見直す度に発見が有るためカルト的な人気が有り、昨年からはなんとテレビドラマ版がスタート! 日本でもHULUで観られます!オススメ!!