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2019年3月21日

【最適】を具現化するバランス感覚:ARGON18 GalliumPro

はい、そんなわけで今回はカナディアン・スポーツバイクブランド ARGON18 (アルゴン エイティーン)ハイエンド・レーシングモデル

Gallium Pro (ガリウム プロ) をご紹介!

アルゴン18はカナダ・モントリオールに本拠地を構えるスポーツバイク専門ブランドで、創始者のジャべーおじさんは元ロードレースカナダ代表のオリンピアン。

選手を引退した後、地元で昔世話になったバイクショップが傾いてたんで再建。
そこで作ったオリジナルバイクが選手連中になんかやったら評判良かったんで、ブランドとして本格的に始動。

ほんで、ここまではよくある話しなんですが…この人、背が小さいというハンデを機材の効率化と最適化で埋めていた“頭脳派ライダー”だったモンで、フィッティングやサイジングが大得意。

しかも柔軟な思考を良とし新技術に抵抗がなく、良い感じのアイデアマンだったもんで、すぐにカーボンにも着目。さらに後述の【3Dヘッドチューブ】や【75mm・BBドロップ】をはじめ、色んな技術を発明してはARGON18の各バイクに投入。まあ人気出るよね。

カーボンまき巻き試験中(2つ前のモデルのGalliumProの試作品の写真かな)

エアロダイナミクスの重要性にもいち早く気づき、TTバイクやエアロロードでは定番となった【『フロントフォーク』と『ハンドルまわり』をセットで、調整部品も含めて”ユニット”として設計開発】なんてのも他社に先駆けて挑戦(名車E114。今から12~3年も前に始めてたのがスゴイ)していきます。

結果、どちらかというと”トライアスロンの世界”でどんどんメジャーになっていきます・・・アレレ!?

したっけジャベーおじさん。なんか思ってたのと違う……元ロード選手なもんで…

どうしても【ツール・ド・フランス】に行きたい!

選手としての自分は行けなかった代わりに「なんとかして自分のブランドでツールに挑戦したい!」ってな感じでもうね、なかば執念めいたなんかそんな感じで頑張ってついに、2015年に[BORA・ARGON18]を擁して初挑戦にこぎ着けたわけです。

さらに詳しい歴史はこちら!! 【ARGON18 ブランドヒストリー*公式】

スゴいぞ!カッコイイぞ!ジュベーおじさん!

ウェーイ!ブイブイ!(2回目。写真はツールドフランス2016、たしかポーの街だったような)

ほい。

とまあ、そんなこんなでARGON18は晴れて世界的ブランドになりました。

〜完〜

某スシの人の昔の写真。(スペイン武者修行1.2年目の相棒はこのGalliumProでした)この頃すでにヨーロッパでは人気のブランドでした

いや終わってないです

したっけ現行の『ガリウムプロ』見ていきましょ!

シンプルなアウトライン

モデルチェンジで大きく変わった部分として「トップチューブとダウンチューブが四角断面から五角断面に戻った」のが大きい。剛性感が明らかに上がってる感じね

細身のバックトライアングル。トップチューブから流れる様に繋がるシートステーはガリウム伝統のカタチ

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ARGON18の独自技術

ぱっと見はシンプルな普通のシルエット……しかーし、中身はジャベさんの拘りがいっぱいですよ!

OPTIMAL BALANCE CONCEPT

全てのバイク設計の基本思想が【オプティマル・バランス

【Weight(重量)・Riditey(剛性)・Comfort(快適性)という3つの要素を、どれをも疎かにせずに、極端な偏りが無い様に、最適なバランスで組合わせる】というこのコンセプト。

トライアスロン界では「ARGON18のTTバイクなら高速巡航の後でランパートに脚が残る!」と評判ですが、ロードバイクもまた然り。GalliumProなんか特に【軽くて・速くて・乗りやすい】な感じですが、このなんか良い感じのニュートラルな特性は狙ってやってるっつーわけですよ。良いじゃない!

★3Dヘッドチューブ

25mmの3Dアダプタを装備。上部ベアリングの【配置位置】自体が上がるため、実際にヘッドチューブ長が

スペーサーのみでハンドル固定位置を25mm上げた場合に比べて、3Dヘッドチューブ使用時は11%の剛性アップ

★75mm BBドロップ

BBドロップ量(前後ホイール軸高に対してのBB軸位置。BB下がりとも。多くのメーカーは65mm〜70mmを採用している)が75mmと、一般的なロードバイクに対して低重心を実現している

BB下がりが5mm多い事で、同じポジションで乗っても「バイクに対する人間の配置」が5mm下がるため、大幅な低重心化や空気抵抗の削減などが見込める。尚、BB下がりが多くなる事で【バンク角が少なくなるのでは?】等言われるが、5mmのドロップ数度の違いしかなく、UCIプロツアークラスの選手がレースで使っても問題無い事が実証されている。また、【加速が鈍くなる】というのも一般論で根強いが、まあ乗ってもらったらわかります。問題ありません^^

★H.D.S ホリゾンタル・デュアル・システム

フレームの役割を上下で明確に分ける設計思想。ヘッドからBBを通りエンドまでを【パワーゾーン】。トップチューブからシートチューブ&ステーを【コンフォートゾーン】と称し、車種やサイズごとにトータルバランスと乗り味を具体的に管理・調節する。

★A.F.S アルゴン・フィット・システム

フレームサイズごとにジオメトリやカーボンの積層を微調整し、車種ごとの乗り味をサイズ問わずに揃える設計思想

★A.S.P アルゴンシートポスト

アルゴン18バイクに標準で装備されたシートポストは、ヤグラの前後向きを入れ替える事でセットバック量が調整可能。ネーミングに関してはもうね、そのまま。まんま。ちなみにガリウムプロには専用のカーボンポストが付属。カッコイイ!軽い!


コンポーネントチョイスも堅実に

もはやテッパン!ステキ電動STI。詳しくは過去のエントリで

よく止まるブレーキ!詳しくは過去のエント

剛性・耐久性 ・軽量とバランスの良いアルテクランク

速く確実な変速!詳しくはk

ワイヤーの引込口の位置が良いですね。電動でもヒモでも、無理なく取り回せる位置。

ホイールは Rolfprima のスタンダード【VIGOR】

GP4000時代の”堅さ”が薄まり、乗り味がマイルドになったGP5000。そのうえライフも伸びてるとか良いこといっぱいですね

なんと279g!軽量な片面SPDペダル【PD-ES600】

アルゴン18は【バランスが良い、設計している人のバランス感覚が良い】コレです

やっぱりね、良いバイクってのは組みやすいんですよ。

設計に無理が無いというか・・「車両の特徴を理解し、またセオリーが何故セオリーなのかわかってる」といった感じですね。過去のモデルでの気になったトコロをしっかり改善しつつ、ブラッシュアップができています。(ヒドイブランドだと設計している側がソレを解かっていないもんだから、前モデルと車名だけ一緒で全くの別モノに改悪させちゃう場合も多いんですよ。)

ほかにもワイヤーの取り回しとかも良い。要らんことはせず、当たり前のトコロに当たり前の部品が有る安心感。ハイエンドモデルながらユーザーの使い勝手なんかもしっかり考慮されているあたりも好感が持てます。

ほんで、乗って気持ちいい!超ド貧脚の筆者が乗っても、スルスルとスピードが乗ります。ロルフのホイールとの相性もバッチリで、レーシングバイク特有の『かかってこいブッ★ロすぞ的な感』は薄く、そのくせ車速がガンガン伸びるのが特徴。先代GalliumProの優しさと、先々代GalliumProの強さが合わさったようなオールマイティ感がコイツには有ります。

控えめに言っても最高じゃんコレ。今期のメインアームを決めかねている貴方!
マジオススメです!

ほんでね、そんなアルゴンのガリウムプロさんですが、週末ラモーンズで試乗できます!

ミッドグレードのガリウムも乗れますので、気になった方は是非。

ARGON18 試乗会のお知らせ