確定していない可能性の渦 / ARGON18 DARK MATTER / GRX 1X
ARGON18のデュアルパーパス・ランナー【ダークマター】
TTバイクにピュアロードレーサー、トラックバイクなど、舗装路を走るレースバイクをメインに据え、基本的にオフロードチョイスを持たないカナディアン・ロードバイクブランド『アルゴン エイティーン』のラインナップにおいて、ひときわ異彩を放つ存在……。
今回は【ダークマター】をご紹介!
※ダークマターなのにカラーがダークじゃないというツッコミがありましたが……ダークマターのmatterって、『物質』としての意味の他に『案件』とか『困り事』なんてニュアンスがあるんですよね。まあそこに掛けたのかは知りませんが【暗黒物質】ってのは『カラー的な、ある一要素が暗いもの』ではなくて『解明されていないアレ、なんか謎の物質。多分有る、知らんけど』みたいなニュアンスなんですね。したっけ砂の色でもカンベンしてください。おねがいしますおねがいします
一見、トレンドに乗って無理に加えた様にも見えるかもしれません……が、しかし実はARGON18にとってグラベルロードはハジメテじゃ無いんですよ。
ってのも、実は2014年には早くも【クリプトン クロスロード】を発売しているので、アドベンチャーは2世代目なんですね。
当時は「ディスクロードと言えばシクロクロッサー」な時代にもかかわらず、今日のトレンドである『軽量なフレームにワイドタイヤとディスクブレーキを組合わせ、ホイールベースが長めなエンデュランスロードをベースに、ロングライドで快適な特性を持つクルーザー的な万能バイクを仕上げる』という手法で、今のアドベンチャーロード・ムーブメントの源流に乗っていたんです。ダッシュ力や転回性など、シャープな反応が特徴のシクロクロスレーサーとは反対の特性ですね。
ジェイミスの【レネゲイド】初代モデルが2015年という事を考えると、実はアルゴンのグラベルシリーズも、ジャンル黎明期から続く名門と言っても良いかもしれません。
ホイールだけに頼らない、高い振動吸収性
さて、それでは【ダークマター】ですが、見てわかる通りベースとなっているのは同社のディスクブレーキ専用モデルのエンデュランス・ロード【クリプトン】。
特徴的なフォークの造型や、フレームの剛性配分、空力特性に優れた各パイプのシェイプなどは【クリプトン】の開発データを活かして流用してるみたいですね。積極的に各部を動かす事で衝撃を吸収する仕組みで、タイヤだけに頼らず快適性を向上させているんですね、すっごい動くよ。
メチャブルしてますね。この手の検査・試験はARGON18のR&D部門が頑張って色々試してるっぽい
延長可能な特殊ヘッドチューブ構造【3D+】とは
他にも、ARGON18の独自技術『3Dヘッドチューブ』をエンデュランス用にモデファイした【3D+】を採用。特殊スペーサーではなく『ヘッドベアリング受け』自体を物理的に延長する仕組みで、『ベアリングの配置位置そのもの』が変わるため、高い位置にステムをセットしてもコラムがしなりにくく、ハンドル周りの剛性を確保できます。
ってことはね、『ヘッドチューブ長を伸ばせる』のが設計の前提になるので、逆に『3Dヘッドを使用しない場合のヘッドチューブ長』を短く作る事ができるんですね。したっけ、小柄で攻め攻めなタイプの人でもしっかり落差が付けられますよ、特にロードモデルの小さいサイズとかスゴイから。
で、ロード用はそのエクステンダー自体がカバーの役目も果たしていたのに対して、エンデュランス・グラベル仕様の【3D+】はフレームに沿った形の『専用カバー』と中身の『エクステンダー』が別体。しかも3種類用意されていて全てフレームセットに付属します。イイじゃない!
まさかの本気エアロダイナミクス形状的な
空力もバッチリ!平均30~40km/hとかで未舗装路を巡航する人はいないと思いますが、グラベルロードなんで舗装路もいっぱい走るでしょ?したら空気抵抗は少ない方がいいですよね。
大丈夫、ARGON18お得意のCFD解析で空気抵抗も考えた形状、もう完全にトレンドになった感のある『カムテール形状×小さめリア三角』なアウトラインになってます。
☆ほぼ同以上のパイプ型の『クリプトン プロ』が、今年のパリルーベでアスタナによってワールドツアーレースデビューしてます。ツーリングモデルとはいえ本気で開発されたエアロシェイプを採用しているあたり、派生モデルならではの恩恵ですね。
グラベル/アドベンチャーならではのアレ
アドベンチャーといえばバイクパッキング!フェンダー装備!みたいなご時世に合わせ、バッグやフェンダーなど色々装備できます。さすがにSURLYやJAMISに比べるとダボ穴は少ないですが……まあ充分でしょ!
ちなみに、ワイヤリングが問題になりがちな対応コンポ問題ですが、大体全部イケます。フルワイヤー組み、Di2、ジャンクションAのフレーム内蔵、フロントシングル・ダブル。ほぼ何でも来いな感じですね。シングルで組む時は『ディレイラーハンガー自体を着けない』ってのもアリ。
最新のシマノグラベル向けコンポ【GRX】を!Di2で!フロントシングルで!
昨今の世界的なアドベンチャー・ツーリングムーブメントに合わせ、満を持してシマノが発表したディスクブレーキバイク専用コンポシリーズ【GRX】シリーズ。
今回はそのシリーズから、『Di2電動変速』かつ『フロントシングル』のアドベンチャー鉄板構成をチョイスしました。【RX-815】STIと【RX817】RDで組むカンジ、ロードで言う電動アルテなクラスの装備と思ってもらえればいいかも。
最新のロルフグラベル向けホイール【ハイアライト】を!25mmの!ワイドリムで!
なんか最近どんどん太くなっていく傾向なグラベルタイヤに合わせ、ロルフプリマのデュアルパーパス・オールラウンドホイール【ハイアライト】に、ワイドバージョンの【ハイアライト25】が追加ラインナップ。ほんでまあ、カッコイイアドベンチャー作るって事でそりゃ採用するよね。
※今までのダート対応700Cホイールって、使用用途がほぼシクロクロスだったわけで。そうなると、レースレギュレーションで33mm幅以上は使えないから、ソレより太いタイヤもリムはあんまり売ってなかったんですよね(29erはあったけどね)。しかし、昨今のアドベンチャーブームで太い700Cタイヤが一般的になってフレームも対応してきたことで、ソレ用のホイールも需要が出てきたって感じなんですね。ほんとのとこはしらんけど
できた!
そんなこんなで、やりたい放題のどこでも快速アドベンチャーバイクができあがりました!
軽く試乗して思ったのは「超快適!」ってこと
「日本にはグラベルがほぼないから云々かんぬん」なんて言ってる人もいますが、カッコイイバイクで快適に走れるんだから、そんなのは些細な問題ですよ。どうでもいい
まずは快適使用でグラベル探しに行ったらいいじゃない。そんで、良いとこ見つけたらアタックしてみて、走破性に難があったらブロックタイヤ着けたらいいじゃない。そんなかんじ。自信が出たらグラインデューロ(今年はおわっちゃったけど)とかに出たら良いじゃん。
目を三角にしてないで、乗ってみようよ。グラベル・アドベンチャー、カッコイイよ 🙂