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2019年12月21日

“The CHIEF” 編集長スペシャル / SURLY MIDNIGHT SPECIAL *Di2

はい、というわけで今回はとあるメディアの編集長さまの愛車をご紹介!

SURLY : MIDNIGHT SPECIAL / Hi-Viz Black

ベースとなったのは、サーリーのミッドナイトスペシャルですね。
コイツにシマノの最新グラベルコンポ【GRX / RX812 Di2】をブッ込んだスーパーステキグラベルなのですが、スーパーステキなので勝手に自慢したいと思います。

細身で大柄なスチールパイプに、650Cのセミファット的な太タイヤってアンバランスさがカッコイイ。好きなんですよ、このなんというか【ウニモグ感】的なポップさが

こっちはガチってねぇんだよ!

実は今回は【GRX】の企画って事で、じゃあ一番イケてる”電動コンポ”で行きましょうよ!ってな感じ?まあ構成の条件は先にわかってたんですよね。したっけまあね、電動内装に対応したフレームもいっぱい有るのですが、せっかくの編集長スペシャルですよ。よくある構成とかじゃ面白くないじゃないですか。

でもね、最新コンポで組む以上は今のトレンドは外したくないので、以下の条件でフレームを探しました。

①カッコいくて、カブりにくいけど、そんなに高くない(オーダーモノ不可)
②前後共に12mmスルーアクスル対応
フラット(ダイレクト)マウントのディスクブレーキ対応
650/47Cタイヤが入る(WTBホライゾンサイズ)
ダボ穴が着いてて色々増設出来るヤツ
⑥完成車に電動コンポの設定が無い
⑦周りの人がムキになって追っかけてこない雰囲気(ちょいユルめ)
⑧アホみたいに頑丈
普段着で乗ってかっこいい

いやコレ、ミッドナイトじゃん……って事ですよ。はいフレーム決定

電動対応フレームではないけど綺麗にまとまってイイカンジ。小さい径のホイールや、スパイダー間がカバーされたロード用ローターとかのモダンなコンポもアリですね

カラーはブラックで統一したのでルックスの統一感もバッチリ

 アップライトポジションでの高いコントロール性能を追求した新コンポGRX

いやね、とにかくSTIがムチャクチャイイのよコレ。
初めて『ブラケット上部を持ってコントロールする事を前提として設計されたモデルってのがポイントなんでしょう。

元より全モデル油圧ディスクブレーキ用なので引きが軽い。
それに加えて今回使用した電動変速モデルST-RX815は、レバーヒンジ(支点)の位置が上方に設定されていることで更にレバーの引きが軽い。
そんでレバーのシェイプも上方から指を落として握っても引きやすい独自形状(ショートリーチモデルに似てる)で、引きやすい。したっけ引きが軽い。
あと、ブラケットは小ぶりで握り易く、ラウンド形状が絶妙に持ちやすい。ほんでカバー上面の滑り止めラインもまた良い仕事するもんだから、握力を消耗しにくい。ってなかんじ

いやほんと、ロードバイクでも、ブラケット上部ばっかり握る人はSTIだけコレに変えちゃうとかもアリだと思うます。結構マジで

上ハンメインの細身で深いブラケット形状。まあ機械式だと歯車とか細かい部品いっぱい詰め込まなきゃいけないけど、Di2ならスッカスカにできるもんね。あとハンドルはシマノPROのグラベル向けシリーズ【ディスカバー】のミッドフレア(末広がり形状)です。トップバーは下のアールが少し欠けたようなエアロ形状。ステキ

ブラケット上部先端の形状が純ロード用STIと違います。合わせてサードスイッチ(ボタン)の位置も内側に変更されてるよ

サブブレーキレバー様

そしてコレ!シマノ油圧ディスクブレーキ用サブレバー【BL-RX812】。

非常にネタ部品っぽい空気を纏いながらも、一回使っちゃうと実はコレはメチャイイ、欲しい……ってなパーツ。
まあ、ブレーキホースの取り回しがアレだったり、ハンドルバッグが着けにくくなったりと、細かい問題はありますが、マジ楽ちんライドができるぞ

ってかね、コレにサテライトスイッチとか組み合わせちゃったら上ハンドル持ってれば全部済んじゃうよね、そう、サイコー。しかも、邪魔になりにくい絶妙な短さのレバー。こいつね、400幅くらいのドロップバーならハンドル肩から微妙に指が届いたりします。(個人的感想)

機械式のサブレバーと違って、中継しても引きが重くならないステキ構造。引きはソフトながら油圧ディスクらしいカッチリした剛性感もあって安心。ベリーメロン

なぜかハンドルと直角に配置されるブレーキホース出口。正直、取り回しはしにくいので自分で組む方は頑張ってまとめましょう。フレームサイズとハンドル位置とレバーの向きによってですが、そのまま素直にラインを引くと色々ヤバいよ(´・ω・`)。今回はブルートゥースキットとDi2ケーブルをまとめてすっきり。ってかさ、どんな組み方するかわかんないんだから、ココはバンジョー式にして向き変え出来る構造が欲しかった、切実に……。外に余りホースがビローン!な組み方が前提な構造ですね

ケーブル類の取り回しもバッチリ!

急なアールのつけにくいブレーキホースと、コシの無いDi2ケーブルのセット。引き込み口の無いフレームに外装電動コンポとか愛に溢れた組み合わせなもんで、ケーブルルーティングが少々メンドウでしたが、イイカンジにまとまって満足。

Di2ケーブルですが、まあ動きに対して突っ張らない余裕を持たせたうえで、いろいろ使ってフレームやワイヤーにしっかり固定しました。グラベルロードなんですよね、雑に扱うのが前提なんですよ。砂まみれ泥まみれ当たり前なんですよね。したっけ「ケーブルはテープで貼りました。以上!」なんてやっちゃうと剥がれて絡んでモータイヘン、いやおい洗車しねーつもりかよ。そんなはずないですよね、しっかり留めましょう。

前述のブレーキホースですが、ワイヤー式と違って素材が固く、少々曲がりにくい上に直接フレーム側に向いてしまっています。このまま真っ直ぐ引いて固定しちゃうと「ハンドル切ったときのホース余剰」が無くなってしまうので、仕方無くこういった取り回しになりました。変に突っ張ってハンドリングに影響しないよう、ダウンチューブ下を通して逆側に出しているのですが、その際の固定位置もワイヤー受けより下に、ハンドルを完全に切ってもホースが折れず、タイヤにも接触しない位置でフレームに固定してます。

フレームに沿ってスパイラルしているのはブレーキホースとDi2ケーブルを束ねたモノ。緩やかに曲がり、且つタイヤに干渉せず、且つバッグやケージを装着した際に邪魔にならない様に。ほんで見た目も綺麗に収めようって事でがんばりました。……そこ、フレームに穴開けるとか言わない!

BBはJIS/BSAなので安心さん。この近辺は裏側にジャンクションがあるため、ワイヤーがとっちらかりやすい部分ですが、適切な長さのケーブルとチューブで纏めてスッキリ。Di2ケーブル固定テープとタイラップを併用する事でバラけないようにしてます

BB下にはジャンクション。最近はワイヤー内装フレームが多いのであまり見ない部品になりましたが、内装出来ないフレームにDi2を乗せるには必須部品。まあケーブル長の微調整はコイツにお任せ

RDへ続くケーブルもテープとタイラップで厳重に固定。ココがたわむとホイールへの巻き込みやチェーンへの干渉、クランクへの干渉などでケーブルの断線やリアホイールの破損を招く可能性があるので、しっかり固定。アンシン

その他Di2部品たち

新登場のGRXシリーズとはいえ、ジャンクションとかDi2ケーブルとかバッテリーとか、ロード用Di2との共通パーツが多いカンジですね。前後の変速機に関しても、ロードとMTBのシリーズで培った技術のミックスってか、MTBコンポをSTIで操作できるように最適化したってのが正解っぽいようなそんなような。まあ動作の正確さ、速さ、頑丈さ、拡張性など性能の高さは折り紙付きですよね。イーヨ

ただカッコイイという理由でVIBEステムを装着、なぜならカッコイイから。専用トップキャップでないとヘッドセットに圧を掛けにくい構造なので、ステムより上にスペーサーが入らないんです。ポジションが決まっていない人は気をつけてね。ジャンクションは3コネクタ、本当は5つのタイプにして余計なボタン増設しまくりたかった……。あ、このステム、サブレバー装備だとハンドルを固定するフタの特殊形状が活きます。うしろ側からネジしめれるからね

ほんのり6870を思い出す……違うか、モロにロード用っぽいFD。ちなみに土台となるFDバンドもShimano純正なんですが、コレちゃんとサポートボルトの受け面も有って実は超使いやすい、オススメ

RX系かと思いきや、すごくM8050っぽかったRD……立体のネームプレートとかもうね。チェーンの暴れを防止するスタビライザーとかもバッチリ着いてて全体的にMTB的な迫力があるます。が、キャパは30/34Tでロードカセットのワイドギア専用。GSは更にワイドなMTBカセット専用

それ以外にも色々

駆動系は 2×11 (48×31T : 11-34T) でワイドでオールマイティなギア比に、0.91〜4.36とかロードでも充分でしょ。
バッテリーは容量の大きい外付けタイプ。ってかさ、泥だらけになる可能性の高いグラベルロードって、外して充電できるバッテリーのが使い勝手良さそうな……でも砂が入ってトラブるかな?
まあ編集長にコレでテストしてもらいましょ。トラブル続出なら対策考えます。まあ、シクロクロスで実績有るので大丈夫なはず……たぶん

ダブルの場合はPCDがアウター110mm・インナー80mmで、RX810だと48×31Tに対してRX600は46×30Tという謎の違いが……何故なんだぜ

11-34Tカセットさん、フロントシングル用11-42Tと比べると100gほど軽いぞ。Di2ケーブルは巻き込み防止で外側で2カ所をタイラップ留め

アルテグラグレードのディスクローターにほぼアルテグラのキャリパーのセット。径は160mmでしっかり止まるぞ

ヴィットリアのグラベルタイヤ[TERRENO DRY]。[650B]サイズ[47]幅の[チューブレスレディ]とか完全にトレンドなステキサイズ。ロードの700/25とかに比べたら、そりゃー重いし設置面積が広すぎてスピードも乗りません。が、それを補ってあまりある衝撃吸収力と、ダートグリップが特徴。要は用途(想定スピードレンジと路面状況)に合っていれば良いぞ!って事ですよ

なんとホイールもGRXのネームド【WH-RX570】。650B(27.5インチ)と700Cの2種類があり、双方共に12mmスルーアクスル×センターロックディスク×チューブレスレディの即戦力。グラベルロードのアップグレード最初の一歩にサイテキすぎてもうアレ

最初っからダート走る来満々なので、ペダルはMTB用SPD【PD-M8120】を装着。踏み面広めでSPDのホールド感もバッチリ

てなわけで出来ましたチーフ号。さっそくイベントで走ったり街乗りしたりと、色々遊んでるようですが、トラブルも無く快調とのこと。まあシマノのコンポですしね。あとサーリーですしね。

気負わず乗れる気楽さと頑丈さが売り“のサーリーラインナップの中では想定スピードの高い車体ですが、それでもピュアロードに比べればのんびり感あふれる内容なので、急かされません。マッタリ行きましょう。それこそキャリアをつけてツーリングとか、日常のアシとしても街に映えるハズ。

ってかね、ミッドナイトに電動コンポと油圧サブレバーの組合わせヤバい。マジで余計な事考え無くてイイ楽ちんさがサイコーでした。オススメ!

https://cyclist.sanspo.com/499906