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2019年9月27日

The FLOW-RIDER2 / FUJI JARI 1.3 Custom

そんなわけで前回紹介したJARI1.3がブルベにもイイヨなんて書いたもんで、続きですね。

年間18000kmくらい走るとかね、そういうもうアレな感じのブルベガチな殿下の愛車。カスタムジャリさんを紹介しちゃいましょ。

ブルベってなんぞや?

→定められたコースを規定時間以内に、決められたチェックポイントを繋いでゴールを目指すラリー的なイベント(タイムは計測されるけど順位は公表されない)。基本は完走が目標で、順位を競う競技では無くボチボチの速度で巡航できればクリアーできるので始めやすい…とは言うものの、距離が長くなったりコース設定によっては難易度が跳ね上がる(持久力とスタミナのマネジメントの重要性が上がる。)おかげで『敷居が低く奥が深い』と、世界中で人気上昇中。詳しくはこちら!Audax Japan


1・素

2019カラーのJARI1.3の完成車ノーマルの状態。色は違えど内容は今年のとほぼ一緒ですね

2・ホイールかえた

RolfprimaのARES4 DISCをプラグイン!PanaracerのGRAVELKINGシリーズの色々種類有る中でプレーンなヤツを装着。小物もチョコチョコと変更

3・コンポかえた

コンポをSHIMANO ULTEGRA R8000に変更。各部をオーナー様の好みで変更…したものの、まだ進化中

…なんかもうね、フレームセットポストくらいしかノーマルの面影がございません

ってかやっぱね、ガチ勢の方は走る距離追い込み方が違うんですね。600km以上とか長距離のイベント後半に訪れるヘロヘロタイムなんですが、ブレーキも変速もドンドン億劫になってくるタイミングがあるわけで。なるべく操作を省エネに、最小限の動作で効率的に走りたいって事で、ドンドコどんどこドコドコとカスタムが捗ってしまったカンジですね。


で、最初に変えたのがホイール

ブルベはイベントによってアップダウンが激しいコースもあるものの、基本的には個人走行の巡航がメイン。ほんなわけで、ミッドハイトで空力特性に優れ、かつ軽くて巡航が得意なホイールを・・・てことでRolfprimaのカーボンシリーズARESのミッドハイト【Ares4 DISC】を装着!

ロルフはいいぞ! : Rolf-prima Wheel Sysems

コレいいよ〜。ペアスポーク組みで元より縦剛性に定評の有るロルフさんですが、リム内幅19.5mm、外幅28.5mm、高さ42mmのワイドで堅牢なリムによってホイールの横剛性を補完。したっけ、風抜けの良さはそのままにメッチャバランス良くてギュンギュン回る巡航最高ホイールが爆誕した感じ。

ディスククリンチャーリムハイト40mm超え、なのに重量は前後セットで1515g、軽い!
あ、当然チューブレスレディです、ステキ!

前後共に20本のスポークで構成される2クロスのペアスポーク組。リアのながーいバルブは、空気を入れる時だけつけるシンクロエクステンダーですね。46mmバルブのチューブで頭だけ出るので、基本は外してフタだけ乗っけてます

40mm幅のブッといタイヤを装着してるのであんまりリムハイトが高く見えないけど42mmあります

ディスク専用リムなので、ブレーキシューの辺り面とかは当然ありません。曲面がエロい

あーかっこいいマジかっこいい…装着してないのに、箱から出しただけなのにもうエロい

ホワイトインダスリー謹製のRolfprimaペアスポーク組専用ビレットハブ(ディスク仕様)。フリーはチタン

こっちはフロント。ブレーキは当然センターロックですよ、楽ちんでしっかり固定とか最高ですね

オーナーさんからも「メチャ回る!ガンガン速度が乗って楽しい」的なお言葉をいただきました。
また、ブレーキによるリムの熱破損を気にしなくて良いディスクブレーキと相まって、下り坂とかメッチャ得意な感じ。先日出たフランスのブルベでも、”下りはこがないでも前のライダーに迫るって程よく回った”とか。スゲー

ちなみに、ハブベアリングは回転重視のセラミック、もしくは耐久性重視のステンレスから選べるようになりました。今回みたいなブルベユーザーにはステンレススチールがオススメですかね、無負荷状態での回転抵抗はさすがにセラミックの方が優れていますが、【良い状態が長く続く】ステンレスの方が安心して乗ってもらえると思います。さいこーかよ


お次はコンポさん

機械式ディスクブレーキを使用するため、STIはスタンダードなST-R8000。コントロール性とストッピングパワーで言えば確実に油圧がオススメだけど、軽量さやシンプルな構造では機械式に軍配が上がる感じ

スタンダードのJARIは何故かアホっぽいクロスワイヤリングになっていますが、まあメリットが無いのでスタンダードな取り回しに組み直してます。正直「ワイヤーのテンションで直進安定性を上げるます」とかマジで意味わかんない。入ってるギアの段数でテンション変わるじゃん、左右でテンション違うじゃん、その都度ハンドリング変わるじゃん。あとね「ワイヤーのアールを緩くする事で抵抗を低減する」とか正気か?フレームのアウターワイヤ受けに外側から広角で刺さってる時点で、その場所がネックになるじゃない、角度がつくほどさ、ソレやるならフルアウターにしましょうよ。あとね、見えないところでならシフトのインナーワイヤーが干渉してても良いとでも?まあ、そんなわけ無いですよね。なんか何年も直してくれないのであきらめて全部組み直してます。色んなメーカーがやらかしてるコレですが、まあ、なおせば良いんですよ、快適ですよ〜

アルテグラの52-36クランク。シングルが悪いわけじゃないんです!ただ、使い方に合わなかっただけなんです〜

ステキアルテFDとシマノ純正バンド。このFDハンガーバンドは純正だけあって実は優秀。調整ネジの受け面とかまあ欲しいよね

速くて確実!アルテRDさん

たしかにギア比的にはまあフロントシングルでもカバー出来たみたいです…実用域は。

ただ、前述のヘロヘロタイム(長距離ブルベ後半の意識朦朧区間)ではなるべく簡単な操作と、細かいギアが欲しかったみたい…。あとね、今まで散々シマノのコンポに慣れ親しんだオーナー様。シマノの操作方法に慣れすぎてて、無意識下での操作時にダブルタップだと支障があったという事で、シマノに全交換と相成りました。

まあ、この辺は好みと経験の問題なので、SRAMがどうこうという事では無くて好きな操作方法のコンポにするべきですね。変速とか、あんま意識しないでレバー操作しますしね。


ほんでそのほか細かいとこ

スタンダードなアナトミック形状のカーボンバーは3T。白いステムはなんかメチャ軽いっぽいけど詳細不明

トップキャップ兼用の炭素止まり木はTOKENの絶版パーツ。実はメチャ軽くて使い勝手が良いらしいのですが、もう作ってない。

ダウンチューブ下にもボトルケージ。ココは工具とか小物入れが鉄板ですね

使いやすさ重視で、ある程度サイズの有る空気入れを装着。前のボトルケージはペットボトルにも対応するTOPEAKのモジュラーケージ

BBはJIS/BSAのスレッドタイプWISHBONE。JISタイプもしっかりベアリング交換が出来るのでオススメ

ペダルはシマノPD-M9000。単純な踏力の伝達効率はSPD-SLの方が良いけど、ソールの柔軟性と降りた時に歩き回れる使い勝手の良さはSPDに分が有る感じ、コレも好みですね

効かないと評判のTEKTRO両押しキャリパー。しかしながら、パッドとローターを高グレードのモノに交換して、その上でしっかりと熱入れをする事でけっこう普通に使える様に。ローターはSRAM、パッドはSHIMANOとイイカンジに闇鍋感があってステキ

フロントフォークのサイドダボ穴に、ネジ固定式のライトマウントを装着。コレがなにげにメチャ良いとはオーナー様談

そんなこんなで

…でけた!

2連テールランプとか、ステム上のeTrex®ステーとか、装備がもうブルベ感満点。迫力のあるバックサイド

てなわけでガチブルベ仕様のJARIさんが完成!

チョコチョコとモディファイはしていますが、大部分は仕上がったカンジ。乗りやすくて、速くて、快適で、そして頑丈。いっぱいネジ受けが付いてるから、まだまだ装備を拡張する余裕も有るとか…最高かよ。

とうぜんブルベ以外にも色々使えます。JARI1.1ならフロントダブルの油圧ブレーキ105mix、1.3はフロントシングル。そのままでも万能仕様ですが、カスタムして【旅仕様】でも良いし、【ダートにもガンガン入って行っちゃう仕様】でも良いし…さらには、部品の盗難リスクが比較的少ないJARI1.5なら【通勤快速最速仕様】のベースにもいいかも?

JARIの1シリーズは3種類ありますが、基本的にフレームは共通です。もー好きなよーにカスタムしましょう!

懐の深さと自由さがアドベンチャーロードの良いところ、やりたい様にやるのが吉!

ラモーンズで相談してね


おまけ

~ピレネーを爆走したJARIさんと殿下~

SR600Pyreneesってイベント(距離600km、獲得標高15,000mとかなんとかかんとかスゲーなおい)で、フランスからピレネー山脈を越えてスペインに行って…帰ってくる!?まさかの往復ピレネー越えとか…意味わからバッチリ完走したそうです。

ツールドフランスでお馴染み、ピレネーの難所【オービスク峠】標高1709m

こちらも名所【コルドポルテ】的なサムシングなあたり

スペインにキタ!

ピレネー山脈の近くのどこかの街とJARIと殿下。反射ベストがブルベシブい!

登りもキツいけど、登っただけ下ってくるのが山道ってもんですよ。そういうシチュエーションではやはり、ブレーキ掛けすぎてもリム爆発の危険性が無く、制動力の高いディスクブレーキは安心だったとの事。また空気抵抗の少ないRolfのホイールで「無理しなくてもスピードが乗るので良い」とお褒めの言葉をいただきました。ホイールや各部のキャパシティが大きく、バッグとかの装備構成も色々な組合わせがイケます。肝心の乗り心地の良い車体も気に入っていただいている様で安心。

ってか月1500キロとか…実際はもっと走ってそうですね…